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ノート
 

ノートについて。

 この『悲しくなるほど不実な夜空に』サイトを制作するにあたって、監督である宇治田隆史にいろいろと喋ってもらいました(かなり雑談チックだったりします)。それをカット&ペーストしてHTML化したものがこちらです。ちなみにキャストについてもコメントをもらいましたが、それについてはキャストのページで見ることが出来ます。

 

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1.ホームドラマの思い入れとテーマに選んだ理由。

 『浪漫ポルノ』を取り終えてからだから97年頃ですね。とにかく、次撮りたいという欲求があって、まあ、色々とアテもなくシナリオを書いてはいたんです。いい出来のものはいろいろあったんですが、一つこれを作りたい!というところまでは至らなかったんですね。

 じゃあ、今何をしたいかと自分に問いかけてみて、まずジャンルを最初に決めてしまおうと。そして出てきたのがホームドラマでした。ホームドラマ、いいです。大好きですね。最近で印象に残っているのは、NHKでやってた武田鉄也の自伝のやつの近藤正臣ののダメ親父役です。あれはぐっときますね。あと、純粋にはホームドラマじゃないと思うんですが、「キネマの天地」の渥美清演じる娘思いの優しい父親とか、香港映画「過ぎゆくときの中で」のチョウ・ユンファ、不良上がりの世間的には底辺に位置する中年パパが、再起を懸ける様とか良かった。ほかにも同じ香港映画の「月夜の願い」。これ、バック・トゥー・ザ・フューチャーの香港版みたいな作品なんですけど、口だけ達者なダメ親父(レオン・カーフェイ)と、そのエリートの息子(トニー・レオン)の心の通う様を描く作品で、現代での口だけの駄目っぷりが、過去では、実は熱血漢だったりして、なかなか涙を誘います。

 それからイギリス映画で、リュック・ベッソン制作、ゲイリー・オールドマンが監督した「ニルバイマウス」って作品もいいですね。これ、ゲイリー・オールドマンの自伝的作品らしく、ドキュメントタッチで描かれてるんですが、ここにでてくる親父はとにかくすごい。どっぷりドープに薬漬けで、ドメスティック・バイオレンス炸裂なワイルドパパ。今まで例に出したのとは違って、とにかく哀れな方向にベクトルが向くものです。

 あー、話だすと止まらなくなっちゃうんでここでやめておきます(笑)。で、とにかく好きなホームドラマをやろうと。核には父親と娘を置こうというのが始まりでした。この核は出来たのですが、今回はストーリー的に破錠したものというか、家族がいたら目的はそれぞれ別の方向に向かっていって欲しいと思っていたので、本筋と別で進んでいく弟のパートとパズルのピース状態で組もうと思ったのです。

 実際のところ、話の切り口としてストレートな手法は今回は嫌だと思っていました。で、結局、父と娘のホームドラマ、息子は徐々に本筋からずれて、一本話を無駄に作り上げる・・・という形になったんです。

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© 2000 宇治田隆史, お茶の間クラシックス